2007年11月25日

墓に参る

今年も行って来た。
「東京のおじいちゃんおばあちゃん」の墓参り。
年の瀬を感じ、そろそろ行かなくては、という思いに駆られた。

先週、わたしとも実家とも離れて暮らす弟から電話があった。
別に仲が悪いわけではないが、
互いに連絡を取り合うことはなく、
弟の職業が警察官ということから
わたしが盆正月に実家へ帰ってもなかなか会うことができない。
たいした用件ではなかったが、
まともに会話をしたのは何年ぶりのことだったろう。
弟との話の中でも「東京のおじいちゃんおばあちゃん」のことが出てきた。
それで今日行こうと決めたのだ。

95年におばあちゃんが亡くなって以降、
今年で12回目ということになる。
墓は茨城県の結城という町にある。
我が家から3時間程度のところにあるため、
過去には旅行の次いでに寄ったこともあった。
別に命日やお彼岸を選んでいくのではない。
その年の内で、よし今日行こうと思った日に行っている。
ある意味では、政治家がサプライズに靖国神社へ行くのと似ている。
おそらく正しい墓参りの仕方ではないのだろうが、
わたしにはそんなことは関係ないと思っている。
そもそも「墓参り」というよりも
「東京のおじいちゃんおばあちゃん」に会いに行っているつもりなのだ。

なぜ毎年行っているのかといえば、
風化しないように、忘れないようにするため。
人でもペットでもそうだが、
身近な存在が亡くなってしまうと悲しい。
例えができないぐらいに悲しい。
でも時間が経つに連れてその思いは薄れていき、
事実として受け入れる。
さらに時間が経つとその存在との思い出も少しずつ忘れていく。
これは仕方のないことである。
亡くなってしまった存在はその時点で時の歩みを止めてしまう訳で、
それ以上時を共有しあって思い出を増やすことができない。
一方、わたしはと言えば日々生きていると
身の回りの出来事や思い出は増え続ける。
せめてもの年に一回会いに行くことで
生前共にした思い出を思い出す機会を作っているのだ。
だから行きたい時に行く、ただそれだけである。

今年は朝9時には家を出て
昼間の内にはお墓に行こうと思った。
ここ数年、体たらくな性格が災いし、
いつもたどり着くのが夕暮れ前であった。
しかし朝起きたのは11時。
目覚ましがセットされているのも11時。
たぶん寝ぼけて目覚ましをセットしたのだろう。
今年も体たらくの性格のままだった。

道中、花束と線香、そしておじいちゃんおばあちゃんが好きだったキリンビールを買う。
なんだかんだで最寄の駅に着いたのは3時半。
日の入りが早いこの時期、結局夕暮れ前だ。

駅から歩く20分ほどの道のり。
年に一度しか見ることのない町。
でも毎年一度だけ見る町に変化を見る。
国道にバイパスができて、旧道には車を見ることはなくなった。
駅のそばに去年はあったコンビニがなくなった。
そうはいっても大きな変化はなく、
「売物件」の張り紙がされたラーメン店は今年も売り物件のままだったし、
畑から臭う鶏糞の悪臭に今年も吐き気を催した。

墓参りシーズンでもない日曜の夕方4時。
寺に着くと人影はまったくない。
うん、それでいい。
周辺にはおじいちゃんおばあちゃんの兄弟の家があるらしいが、
間柄が遠い親戚ゆえに別に付き合いがある訳ではない。
だから、その親戚の家には寄らない。
寺の住職には10年以上前、納骨の時に会った。
感じの良さそうなおじいちゃんだった。
寺の入り口にベンツとフェラーリが止っている。
それを見てからというもの、寺に挨拶をしようと思わなくなった。

墓の周りで目に付いた雑草を抜き、
簡単に掃除をする。
線香をあげた後、
お供え用のビールとわたしのビールを開けて、
一人で乾杯。
その後、独り言を話すこと30分。
思い出話と今年一年の出来事を話した。
ビール片手の独り言。
やはり周りに誰も居なくてよかった。
Image1291.jpg
当然、おじいちゃんおばあちゃんのビールは減るわけがなく、
「カラスが荒らすためお供え物はお持ち帰りください」
という看板を従い、
お墓に「もらうよ」と声をかけておじいちゃんおばあちゃんのビールも頂いた。

また20分ほどの道のりを歩き、駅に着くともう暗かった。
Image130.jpg
この墓参り、いやおじいちゃんおばあちゃんに会いに行くのは、
来年も再来年もそのまた次の年も続ける。
続けてみせるのだ。


去年も書いてたな、この話。
posted by しのいち at 23:31| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | いろんなオハナシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
それは故人に対する愛情表現なのでしょうね…
Posted by みすと at 2007年11月26日 02:27
素敵やと思います。
わたしのところは車じゃないと行けないので、ついつい足が遠のいてます。

Posted by junko at 2007年11月26日 03:43
きっと天国のおじいちゃんおばあちゃんも喜んでると思います!!
毎年ここまでしてくれる孫は、今どき貴重ですよねーー。
お墓が大阪ということもあるのですが、なかなか
行けていないことが申し訳なく思える今日この頃です。。。
Posted by chocoholic at 2007年11月26日 23:00
みすとさん、どうもです。
わたしの名前をつけてくれたのは、
じいちゃんばあちゃんだったらしいし、
好きだったですよね。

junkoさん、どうもです。
何か一つだけでも継続していることがあるのはいいのかなと。
そんな思いです。
墓参りだけが故人を敬うことだけではないと思うしね。

chocoholicさん、どうもです。
父方のじいちゃんばあちゃんはわたしが生まれる前に
亡くなっていたのでかえって思い入れが強いのかも。
いいんですよ、墓前じゃなくたって、思いがあれば。
Posted by しのいち at 2007年11月28日 00:06
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