2012年04月16日

ぼくのトラック

東京郊外、国道沿いのコンビニ。
昼時だ、少し昼寝をしようか。
大型トラックの真向いに車を止める。
シートを倒そうか思った一瞬、
フロントガラスの向こう側の子供と目が合った。

向かいの大型トラック、
助手席にはマミーのパックを両手に持った男の子がいた。
運転席には、ダッシュボードに片脚を放り投げ、
弁当を食らう恐らく父親。
道路地図を取り出し、男の子に何やら話しかけている。
その姿は、仕事中だと言わんばかりの父親らしく、偉そうに見える。
男の子は男の子で興味津々なのだろう。
父親から譲り受けた道路地図から目が離れない。
楽しそうだ、きっと一仕事終えた後だろう。

そんな姿をしばらく見つめていた。
今でもこういう光景見られるんだ。
微笑ましく、懐かしくも思った。
わたしも同じ経験があるから、トラックの助手席。


うちのおやじは10トントラックの運ちゃんをしていた。
日本通運、略するとニッツウ。
でも、おやじは日頃からマルツーと呼んでいた。
長距離トラックだったため、
時には夜通しで九州や東北にも行っていた。

小学校に上がる前、
何度か10トントラックの助手席に乗った。
富士から日帰りで行けるところ、
確か宇都宮、勝田、伊勢崎あたりだった。
前日に積んだ荷物を下ろした後に
別の所でまた別の荷物を積んで帰ってくる。

夜が明ける前にトラックは走り出す。
外はまだ真っ暗で、
早起きに耐えらない5歳児はすぐに眠りたい。
大型トラックには運転席後ろにベッドがある。
おやじは滅多に洗濯に出さないものだから、
油なんだか、タバコなんだか、おやじの匂いがする。
でもその匂いが別に嫌いではなくて、ベッドで寝る。
東名高速で用賀を過ぎたあたりで朝焼けが見えてくる。
おやじが声をかけるのでカーテンを開ける。
朝焼けの綺麗さと東京のビルばっかりの街並み。
これには、目を覚まさないと勿体無い。

それにしても大型トラックから見える景色は、
自家用のカローラから見るのと全然違う。
隣を走る乗用車はみんな屋根しか見えない。
見下ろしているのだ。
スピードはタコグラフのせいで出せないけれど、
どんどん抜かれても見下ろせるトラックは嫌じゃない。
目を覚ましたわたしは外ばかりを眺めていた。

おやじはタバコをふかしながら、得意気だったと思う。
パチンコでもらった飴やチョコを
どんどんダッシュボードから出してくれた。
たぶん家であげると母が怒るくらいの量。

目的地に着き、積んできた荷物を下ろす。
おやじは、時にフォークリフトも運転していた。
わたしは助手席もしくはベッドでおとなしくしている。
今は違うのか、配達先のおじさんがやってきて
ジュースをもらったりしたこともあった。

帰りの積荷をして、あえて遠回りの海沿いを通って
帰ってくる頃には日も暮れていた。
5歳のわたしには長い一日だったが、
また行きたいと思い、そんなことが小学校に上がる前まで
何度かあった。


今の自分の仕事、うちの子にもそんな風に見せてあげたいけどなあ・・・。








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posted by しのいち at 00:02| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | いろんなオハナシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大丈夫ですよ。しのいちさんみたくいい子に育ちますって!(>_<;;)
Posted by junko at 2012年04月16日 08:16
junkoさん、どうもです。
わたしがいい子かどうか・・・。
子供に見せたい仕事っていいなあ。
今の仕事?
昼寝したり、二日酔いになってみたり、どうだか。
Posted by しのいち at 2012年04月16日 22:47
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