2012年03月25日

朝の領土問題

朝の日比谷線は嫌いだ。

「前方を走る列車が詰まっておりますので」などと言って、
駅間で停車してしまったり、
牛歩を思わせるノロさとなる。
片や、
「後続列車が遅れておりますので」などと言って、
駅にしばらく停まってしまい、
その間の乗り込む客は増えるので、
その列車までもがさらに遅れがちになる。

東横線と東武伊勢崎線、それと日比谷線。
相互乗り入れだか知らんが、
東武動物公園発菊名行にどれだけの人が恩恵を受けているのだろうか。

ところで、わたしは電車に乗り込むと、
座れたら眠り、そうでなければ本を読むことにしている。
それが退屈な時間をあっという間にやり過ごす、
かつ、通勤を有意義にできる方法だと思っている。

無論、朝の日比谷線では本を読む以外無い。
さらに、かなりのスシ詰め状態であり、
この本を読むというささやかな行動ですら、
朝の日比谷線は困難にさせている。

先日のこと、
わたしは両開きドアの端とロングシートの端からなる三角地点、
わかるだろうか、座席ではないものの寄りかかることのできる好位置に
わたし自身と文庫本1冊を開けるスペースをこしらえることができた。
ドア沿いは身体を斜めにすることでドアとの空間ができやすい。

文庫本をカバンから取り出して読む。
電車が走り出す。
次の駅に停車、人が乗り降りする。
わたしはドア端で身体を細める素振りをしながら、乗り降りを見遣る。
すると大きな手提げバックを手にした50代であろうおばさんが
「すみません」と申し訳なさそうに乗り込んできた。
混み具合からいって、奥の方に詰まる余裕も少なくなってきたのか、
ドア端のわたしにも負担がかかる。
文庫本のスペースも供さなければならないらしい。
正直言って嫌だが、おばさんが申し訳なさそうに言っているんだ。
仕方がない。文庫本をしまった。

おばさんが乗り込み、ドアが閉まる。
わたしはおばさんの背中とくっついた状態。

するとどうだろう。
おばさんは手提げバックから少年ジャンプを取り出した。
わたしの視線は、50代のおばさんがなぜ少年ジャンプなのかということよりも、
少年ジャンプという雑誌の本としての大きさ。
見開いて読み出しやがった。
わたしのささやかな文庫本のスペースを奪っておきながら、
電話帳に匹敵するようなマンガ本を読む。

わたしは許せなかった。
声を上げて注意しようとも思った。
でもどうすることもできなかった。
なぜなら、もし口論になり、電車が停まるようなことになったとしたら、
わたしは乗り合わせている何百人もの恨みを買うことになるだろうから。
たぶん。


結局、小さいことで怒ってみたものの、
小さな理由で思いとどまった、
朝の小さな領土問題。
わたしは外交には向かない。













posted by しのいち at 00:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | いろんなオハナシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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