2008年12月14日

チチタオレル

ちょうど1週間前。

急な出来事だった。

日曜日の夕方。
わたしのケータイに母から電話が入る。
元気にしているの?
ケータイのディスプレイを見ながら
そんな内容だろうと思いつつ電話に出ると、
母のトーンに神妙さを感じた。

「お父さんが心筋梗塞で倒れて運ばれたの。
今すぐに来て。」

「え?わかった。」
私はそれだけ答えた。
いや、急なことでそれだけしか言えなかった。
そうか、じゃあ今すぐに帰らなくては。
外にいたわたしはとにかく近くの駅から電車に飛び乗った。

イマイチ状況がピンとこない。
タオレタ?
シンキンコウソク?
言葉が変換されない。
今日が返却日のDVDを返してから帰ろうか。
着替えとか用意をしたほうがいいのか。
そんなことを最初に思った。

だが、電車の中で母の言葉が変換されていく。
「心筋梗塞で倒れた」
わたしの知っているところによれば、
心筋梗塞は脳にまわると半身不随や言語障害の可能性、
下手をすると死に至る、
そういう病気である。

おぼろげながら状況が見えてきた。
DVDや着替えなんてどうだっていい。
一秒でも早く帰らなくては。
父は意識があるのか、
話すことができるのか、
それとも何もできないのか。
病院にいる母のケータイにこちらからは繋がらない。

新幹線に乗ったものの、
一駅ごとに停車時間が長い各駅停車に腹が立つ。
ようやく、駅に着き、タクシーに乗る。
駅から駆け出してきた姿を見て
タクシーの運転手は尋常ではないスピードを出してくれた。
タクシーの中、母と連絡がついた。
集中治療室にいると言う。
どんな状況なのか。
病院に着き、すぐさま集中治療室へ。

すると、手術は終わったようで、
父には沢山の管が施されているものの、意識がある。
「お前、大丈夫だから東京に帰れ。」
といつもの父の調子。
「何言ってんだよ、この病人が。」
いつもの父でよかった。
思わず、それまで張り詰めていたものが一気に緩み、
ポロポロ泣いてしまった。
絶対安静だというのに、
暑いだの、起き上がりたいだのと
いつものうるさい父であった。

母の説明によれば、
119番通報も搬送も早かったのが
功を奏したらしい。
往々にして、こうした緊急時に
119番の前に家族や親族に助けを求めてしまう人が多いらしい。
割と冷静さを保つのが下手な母であるが、
よくぞ息子たちへの連絡を後回しにしてくれた。
母に感謝である。

1週間経ち、一般病棟に移った。
毎日、母と下らないことで喧嘩をしているらしい。
と、母は愚痴るのだが、
これもいつもの父と母。
とりあえず一安心である。

正月のニューイヤー駅伝や箱根駅伝、
その他諸々各種スポーツ、
来春も文句を言い合いながら、
観ることができそうだ。















posted by しのいち at 22:52| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | いろんなオハナシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。